Azabudai Hills landscape

麻布台ヒルズ

2023年11月、1989年に着手して以来35年かけた都市再生計画が披露された。その名も 麻布台ヒルズ 。8.1haに及ぶ大規模な市街地再開発事業だ。注目すべきはテナントのセレクト。行ってみたい店を紹介する(トップの写真:緑と水がつながるランドスケープCreditⒸDBOX for Mori Building Co., Ltd. – Azabudai Hills)。

2023年11月、1989年に着手して以来、35年かけた都市再生計画が披露された。その名も 麻布台ヒルズ 。8.1haに及ぶ大規模な市街地再開発事業だ。

麻布台ヒルズ の外観

開発以前は小規模な木造住宅が密集した地区で、道路網が未整備だったため住みにくかったという。麻布台ヒルズ のコンセプトは”Green & Wellness”。果樹園や菜園を含む2.4haの緑地を持ち、人と人をつなぐ広場のような街―Modern Urban Villageとして生まれ変わる。

この施設内には、オフィス、レジデンス、インターナショナルスクール、医療センターといったこの地区に住む、あるいは働く人向けの設備を擁する一方で、約150店舗もの商業施設、ホテル、マーケット、デジタルアートミュージアム、ギャラリーという住人以外も興味を引かれる施設を備えている。

23,000㎡にのぼるガーデンプラザ、タワープラザに店を構える約150店舗のうち94店鋪が11月24日にオープンした。

高級ブランドのブティック、麻布台ヒルズマーケット、デジタルアートミュージアム、そしてアマンが手がけるホテル、ジャヌ東京は2024年に順次開業予定。

1   中央広場

2〜4 ガーデンプラザ A B C    ラグジュアリーブランドやレストランが軒を連ねる

5   レジデンス A B  住宅の他、ホテル「ジャヌ東京」がレジデンスAの1〜13階に入居

6    タワープラザ  「東京の食」を体感できるダイニングやショップ、ジムなど約60店 

7   森JPタワー

                                            

ガーデンプラザとタワープラザには好奇心を引かれる店がいくつもセレクトされている。行くべきレストランやショップを厳選してレポートする。

目利きによるインテリアのラインナップとレストランはさすが!

ザ・コンラン・ショップにとって日本で7つ目となるこの店は、1,300㎡というゆったりした空間。内装には、木、左官、タイルなど、人の手の温もりや自然を感じさせる素材が使われて、居心地が良い雰囲気を醸し出している。榊や熊笹といった植物で染めた糸を熟練の職人が織り上げた日本のテキスタイル、ミッドセンチュリーのフレンチヴィンテージ家具、料理道具専門店のオリジナル商品のほか、お菓子研究家、福田里香さんとのコラボレーションによるオリジナルお菓子Crafted Treatsの第一弾であるゆずとベルガモットのフレーバーのキャンディTwisted Candy(12月発売)など、日常をグレードアップする素敵な何かが見つかる。

また、日本で初めてレストランを併設したのも話題だ。“モダン・クラフト・ダイニング”と銘打ったレストラン、オルビーでは、コンランのルーツであるイギリスを意識し、モダン・フレンチにブリティッシュのテイストをプラスした料理を提供する。レストランで使用するオリジナルの器にも注目したい。

ザ・コンラン・ショップ麻布台
生活を豊かに彩るインテリア。アート本も注目
キッチン上部の棚には、益子で焼いた皿が並ぶ
シグネチャーの「ビーフ・ウェリントン」

スパイスが味覚を呼び覚ます洗練のモダン・インディアン

インド出身の料理人が腕を振るう、モダン・インディアン・キュイジーヌだ。レンズ豆、ひよこ豆や野菜を多く使うヘルシーにして洗練されたその料理は広く認められており、インド大使館の御用達レストランでもある。ベジタリアンメニューが充実している一方で魚や肉を美味しく調理したタンドーリもある。北部から南部までその土地ならではのメニューが揃い、インド料理の奥深さを体験できる。

膨らませた薄い生地にスープを注いでいただく「ゴル ガッパ」¥1,200(税込)
麻布台店のために考案されたベジタリアン前菜盛り合わせ¥3,000(税込)

プラントベースの料理とショコラは驚きのおいしさ

2011年、バリ島のウブドに誕生したプラントベースレストラン、アルケミーの初の海外店舗が11月24日に麻布台ヒルズにオープン。

アルケミーでは、プラントベースの食材のみを使用し、肉、 魚、卵、乳製品、さらにはグルテン、白砂糖、うま味調味料や化学調味料は一切使用していない。だが、料理やスイーツはおいしくて動物性の材料を使っていないとは思えないくらいの味わい。特に、43度以上加熱をせず、カカオの風味と成分を生かしたローチョコレートはぜひトライしたい。

さまざまなヴィーガントッピングを選ぶことができるサラダバー、カスタマイズできるオリジナルボールから、ヴィーガンチョコレートやココナッツミルクベースにスーパーフードを加えたソフトクリームまで、クリエイティブなラインナップにわくわくが止まらない。

明るくてナチュラルなムードのアルケミー。暖房完備のテラス席も人気。ランチにおすすめだ
好きなヘルシーフードをチョイス
ヴィーガンフードで時にはデトックスを
ヴィーガンとは思えないほどおいしく食べ応えがあるアルケミーのローチョコレート

京都発の独創的な書店が本の可能性を世に問う

京都の書店が東京に進出。芸術、漫画、絵本などをラインアップする「創」、建築、現代アートの「遇」、雑誌、旅行などの「匠」、小説、文学などの「栞」と、4ジャンルに分類して本を陳列。中には英語版の人気漫画の単行本やアバンギャルドなアート本も見つかる。また、店内で小さなエキスポジションも開催。感性が刺激される書店だ。

人気漫画の英語版の単行本も取り揃えている

三國シェフによる大皿料理のカジュアル・フレンチ

33階と34階の約3,300㎡内に位置する会員制ウェルビーイング施設「ヒルズハウス麻布台」内に誕生したのがダイニング33。会員だけでなく誰もが利用できるこのレストランは、33階のテーブル席170席、個室4室28席。このほか、メンバーシップのカフェなどを含めるとなんとトータル670席にも上る。プロデュースを担うのは、三國清三シェフだ。大皿料理をシェアするスタイルで、カジュアルにフランス料理を楽しむ趣向。

シェフは、高品質な東京産や、社会や健康に配慮した食材を採用し、地産地消やサステナビリティを促進する。さらに世界の最高峰の食材も忘れない。

一方で、ランチは¥3,000〜、ディナーは¥11,000〜というフレンドリー価格。素晴らしい眺めを満喫しながら、日常使いから接待まで思い思いに利用できる。エレガントなパティスリーにも注目したい。

ワンプレートの「メニュー・マンスール」
大皿料理
大皿料理のフランス産うずらのファルシー フォアグラ詰め
ダイニング33はパティスリーも魅力的。

宇治発祥の老舗店がお茶の魅力を伝える

京都・宇治発祥の中村藤吉本店が麻布台に登場。店頭でお茶各種をプレゼンし、お茶のバリエーションの豊かさや多様な楽しみ方を教えてくれる。テイスティングも可能。おすすめは数種のお茶をブレンドしたシグネチャーの中村茶だ。複雑な味わいがお茶の奥深い魅力に気づかせてくれる。お茶のパフェもぜひトライを。

様々な種類のお茶をテイスティングできる。お気に入りを見つけたい

丹波栗のおいしさを存分に味わえるモンブラン

京都の清水寺参道の焼き栗専門店、比沙家がオープンしたこのパティスリー&サロン・ド・テでは丹波栗のモンブランが看板商品。カダイフの上に宇治抹茶のソース、アイスクリームを乗せ、周りを生クリームで覆い、丹波栗のクリームを乗せ、さらに凍らせた焼き栗を削って乗せている。丹波栗のほっくり感と上品な甘さがしみじみ季節の味覚を感じさせる。

栗おこわ、おばんざいのランチの後、丹波栗のモンブランで締める栗づくし

シャンパーニュとともにキャビアをスプーン1杯から楽しむ

プルニエは150年以上の歴史を誇る老舗キャビア店。いち早くフランス国内で自社養殖を成功させた革新的なメゾンでもある。そのプルニエが麻布台に日本国内3店鋪目をオープン。

このキャビアバーでは5席のカウンターでシャンパーニュとともに気軽に高品質なキャビアが楽しめる。スプーン1杯からキャビアそのもののおいしさをテイスティングできる「キャビアスプーン」(¥1,650)、海洋深層水処理を施した日本産の生牡蠣にプルニエキャビアをトッピングした「オイスター&キャビア プラッター」(¥4,510)など、センシュアルにして芳醇な味わいを堪能したい。

カウンターで気軽にキャビアを楽しめる麻布台店
キャビアスプーン¥1,650(税込)
オイスター&キャビア プラッター¥4,510(税込)

巷で噂の、パリパリ、もっちりの“ドラえもんセット”

福岡・博多からやってきた和菓子店。お店の裏にある厨房で作ったばかりのお菓子をお店に並べる。“ドラえもんセット”と巷で噂されているのがドラえもんの鈴にそっくりの「鈴乃最中」とドラえもんの好物であるどら焼きのような「鈴乃◯餅」。「鈴乃最中」の作りたての皮はパリッとして食感がいい。米粉の皮の「鈴乃◯餅」はもちもち食感がクセになる。

鈴乃最中(左)と鈴乃○餅

麻布台ヒルズ 森JPタワー

東京都港区麻布台1丁目3-1

ACCESS 東京メトロ 日比谷線 神谷町駅 直結

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。