アスティエ・ド・ヴィラットが伊勢丹新宿店でクリスマス市を開催

2022.11.11

ロマンチックなクリスマスを演出するグッズを販売

18世紀フランスの伝統的な製法エスタンパージュ（型押し）を採用して作るセラミック（陶器）、活版印刷などフランスの魅力たっぷりのアイテムを展開しているアスティエ・ド・ヴィラット。12月25日まで伊勢丹新宿店２階でクリスマスプレゼントにぴったりなアイテムを集めたクリスマス・マーケットを開催中だ。

オープニングに際して、パリから創設者兼デザイナーのブノワ・アスティエ・ド・ヴィラットとイヴァン・ペリコリが来日した。

パリのキオスクを模したマーケット

アスティエ・ド・ヴィラットのクリスマス・マーケットはパリのキオスクを模したショップ・イン・ショップ。２つのブキニスト（セーヌ川岸に立つ露天の書店）の間から中に入ると、ジェーン・バーキンの娘でアーティストのルー・ドワイヨンが描いたイラスト、無数のユーモラスなオーナメント、セラミックが並ぶ。さらに奥には制作風景のドキュメンタリーを披露する小さなシネマ上映室さえも備えている。

「ディスカッションを重ねるうちに構想が膨らんで、大胆なプロジェクトになりました。素晴らしいものになってとても嬉しいです」とブノワは満足そう。

注目アイテムのナンバーワンは物語のあるフレグランス

今回もっとも注目したいアイテムは日本初お披露目となるローンチしたばかりのフレグランス。

「Le Dieu bleuル・デュー・ブルー（青い神の意味）」「Artabanアルタバン」「Les Nuitsレ・ニュイ(いくつもの夜の意味）」の３つの香りは、過去の銘品を復刻したもの。

香水史研究の第一人者のアニック・ル・ゲレと調香師のドミニク・ロピオンの出会いから誕生した。それぞれに興味深いエピソードがあるこの香りを、100%天然由来の原材料を使い、現代のフォーミュラで再現した。

「Le Dieu bleuル・デュー・ブルー（青い神の意味）」は、紀元前4000年、古代エジプトで使われていた香り。ウッディーなエニシダ、甘くスパイシーなミルラ、青い草の香りガラードバーム、ナイル川に生い茂るカラマスなどの神秘的な香りがミックスされている。

「紀元前、エジプトのキフィ（香油）と呼ばれていたものです。当時は子供にも動物にもつけていたそうですよ。私たちは復刻するにあたり植物やスパイスをワインに漬け込んで作り、ル・デュー・ブルーと名付けました」とイヴァンは説明する。キフィは宗教儀式で使われていた香りのあるオイルのこと。リラックスさせる効果があると言われる。

「Artabanアルタバン」は紀元前３世紀ごろから紀元後3世紀ごろまで存在した古代イランに君臨していたパルティア王のために作られた香り。コスタス、カシアなど24種類ものアロマが配合されている。甘くビターなマジョラム、アニスやカルダモン、シナモンの馥郁とした香りが印象的だ。「たくさんのアロマを配合した複雑な香りです。古代ローマ人はこの香りがとても気に入って、古代ローマとパルティアが戦争中でも購入していたんですよ」（イヴァン）

「Les Nuitsレ・ニュイ(いくつもの夜の意味）」は19世紀の作家ジョルジュ・サンドが身につけていたという香り。ジョルジュ・サンドの遺品のフラコンにわずかに残ったフレグランスを取り出して、分析し復刻した。官能的なダマスクローズ、土や木を感じさせるパチョリ、パウダリーなアイリス、イランイランやベチベーがアクセントをつける。「とてもユニークでリュクスなものです。非常に高価な素材を使っています」（同）

「このフレグランスにはたくさん物語があるので、私たちは本を作ったんですよ！　フレグランスとセットにしたコフレも用意しました」（同）