金沢、つくるプロジェクト01「作家のひと匙」展開催

金沢のモノづくりを伝えるプロジェクト「作家のひと匙」展が銀座にて5月1日まで開催中だ。これは、金沢のクラフトのビジネス化の促進を目的として、一般社団法人金沢クラフトビジネス創造機構が主催したエキシビション。

アーティスト原嶋亮輔さんによるアートディレクションのもと、金沢を拠点に活動する工芸作家と、飲食店や調香師、食品メーカーら、ライフスタイル分野の11組がコラボして、新しいプロダクトを創造した。

「すくう」をテーマに新しい道具を開発

プロジェクト第一弾となる本展のテーマは「すくう」。それぞれの生活シーンの「すくう」道具を約1年かけて考案し実現した。日常に使える道具だが、コラボによって新たな息吹がもたらされたワクワクするアイテム揃い。

インドをルーツに持つ仏教とカレーが皿の上で邂逅

例えば、金沢仏壇(蒔絵)を手掛ける大竹喜信さんとインド・ネパール料理レストランのアシルワード店主の千葉諭さんによる、カレーを乗せる木製のプレートと、僧が使う入れ子の椀から着想したカトリ皿。プレートには、木目沈金(もくめちんきん)という技法が施されている。これは仏壇製作でよく使われる技法で、木目に純金をすり込み、ふき漆で仕上げる。金が木目を際立たせて美しい仕上がりだ。

仏壇は仏教の礼拝施設であり、仏教もカレーも発祥地がインド。ルーツを同じくする二つが皿の上で結びついているのが面白い。

大竹喜信さんによる木目沈金を施したプレート。¥19,250(税込)      撮影すべて:中島光行

科学のバックグラウンドを陶芸に表現

生物学で博士号を習得したのちに陶芸家になったというユニークな経歴を持つ作家、今西泰赳さんは、サバのぬか漬けであるこんか漬けの製造販売を手掛ける金沢こんかこんかとコラボ。顕微鏡下で見える細胞のような形をした小さな器にこんか漬けを入れて真空パックし、桐の小箱に入れた。こんか漬けは酒のアテに最適。銘酒として知られる金沢の日本酒と共に、お土産に買って帰りたくなる。

上:顕微鏡で見える世界をモチーフにした陶器(非売品) 左下:今西泰赳さん
右下:金沢こんかこんかのこんか漬け

すくうものによって、材質や形状を変えるこだわりの匙

彫刻家の大村大悟さんは身近な道具としてさまざまな木の匙を、金沢近郊の人気ベーカリーNiORの丹尾淳二さんとコラボして製作。ピスタチオペーストはこの匙、ジャムはこの匙など、それぞれすくうものによって素材も形も変えるというこだわりを見せる。

上:左から右に、木片から木の匙ができるまで。木べら&ピスタチオクリームセット
で¥5,650(税込)など 左下:大村大悟さん 右下:毎日売り切れ必至のNiORのパン

ほとんどのプロダクトが販売されている(一部受注販売もあり)。

コラボによるフュージョンが生み出した新しい道具で、日常を豊かにしてみては。

金沢、つくるプロジェクト01 「作家のひと匙」

会期:2023年5月1日まで。

        11:00〜19:00 会場:dining gallery 銀座の金沢

会場:東京都中央区銀座1-8-19 キラリトギンザ6階

   TEL 03-6228-7733

   www.ginzanokanazawa.jp

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