メゾンケイ

2022.04.27

３つ星シェフと和菓子の銘店がコラボレーション

ミシュランの３つ星店レストラン・ケイの小林圭シェフと和菓子の銘店虎屋がタッグを組んで、御殿場にレストラン、メゾンケイをオープンした。

小林シェフは、2020年、日本人として初めてパリでミシュランの３つ星を獲得した。フランス人であっても３つ星を獲るのは容易ではないのに、外国人である日本人が取ったというニュースは快挙として世界中に伝えられた。

パリの３つ星店は2021年時点で９店舗あり、「レストラン・ケイ」は、アラン・パッサールの「アルページュ」、ヤニック・アレノの「アレノ・パリ・オ・パヴィヨン・ルドワイヤン」、ピエール・ガニエール、ギ・サヴォワら名だたるシェフの店と肩を並べたことになる。

独立当初から小林シェフに注目していた虎屋社長

その実力は兼ねてから折り紙つきで、2011年のレストラン・ケイのオープン当初から小林さんの技術の確かさ、料理の美味しさは、巷で噂になっていた。この早い時期から小林さんに注目していたのが、2020年に第18代目虎屋社長に就任した黒川光晴さんだった。

虎屋は室町時代後期、京都で創業し、御所御用（天皇家御用達）をつとめてきた老舗和菓子店。当時、パリ店に赴任中だった黒川さんは人を介して2010年に小林さんと知り合った。

価格をはるかに超えた圧倒的な料理のクオリティの高さ、また、ひと皿の極みへの追求、素材を重要視する姿勢に感銘を受けたという。いつか小林さんと一緒に仕事をしたいという思いは、2021年、御殿場にメゾンケイのオープンとして実った。御殿場には1978年より工場を稼働させていたほか、とらや工房を2007年にオープンさせており、虎屋にとってゆかりの深い土地だ。

TORAYA KOBO 「和菓子店の原点を再現」

富士山の絶景を見ながら絶品の料理を楽しむ

メゾンケイは、とらや工房の近傍に位置する。建築家の内藤廣さんが設計を手がけ、天井などにベイツガを多用し温かみがありつつスタイリッシュな内装に仕上げた。壁の一面は全面ガラス窓で、パノラミックな富士山の絶景を全ての客席から楽しめる。

料理には地元産の良質な食材をふんだんに採用している。これで料理の値段を抑えられるだけでなく、地域活性化にも環境保護にも貢献できる。

35〜50種類もの地元のハーブや野菜をレモンの泡など４種のソースで楽しませる「庭園風季節のサラダ」、駿河湾で獲れた金目鯛のうろこを焼いてパリパリとした食感に仕上げ、イカ墨とバジルのソースを添えた「金目鯛のウロコ焼き、イカ墨のピストゥー」、そして、メレンゲ、ソルベ、果物に虎屋のあんと羊羹を合わせたデザートの「パッションフルーツとあんのヴァシュラン」など。

季節によってヴァシュランのフルーツが変わる。虎屋では最上級の材料を厳選し、製品に合わせて約40種類のあんを製造しているが、メゾンケイはその中からデザートにあったものを選び、アレンジして使っている。